「アパート相続・経営関連記事、建築・建て替え系」内の、「2階建てアパートの建築費用」について解説した記事です。アパートの建築費用を含む初期費用や2階建てが向いている土地、規模、間取りについても触れています。3階建てと比較したメリット・デメリットも紹介した内容です。

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更新日
2024.08.26
カテゴリ
アパート経営, 記事

【徹底解説】2階建てアパートの建築費はいくら? 3階建てと比較するメリット・デメリット

【徹底解説】2階建てアパートの建築費はいくら? 3階建てと比較するメリット・デメリット

アパートの建築費は構造別の坪単価相場から計算できます。2階建てアパートで選択される構造は木造、軽量鉄骨造が主流です。延床面積60坪では、木造が4,620万~6,000万円、軽量鉄骨造が4,800万~6,000万円が建築費の相場です。

本記事は2階建てアパートの建築費について、間取り事例をまじえて詳しく解説します。3階建てアパートとのメリット・デメリット比較もしています。

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この記事のポイント まとめ

2階建てアパートの建築費はいくらになる?

アパート建築費用は構造別の坪単価から算出します。建築費の計算式は以下の通りです。

  • 建築費=坪単価×延床面積(1F+2F)

坪単価相場は構造によってことなります。詳しくは「【構造別】2階建てアパートの建築費」でご確認ください。

2階建てアパートのメリット・デメリットは?

2階建てアパートのメリットは主に3つが挙げられます。

  • 建築費が安く済む
  • 狭い土地でも建てやすい
  • 貸しやすい

一方、デメリットは以下の通りです。

  • 収益性が落ちる
  • 空室リスクが高くなる
  • 構造によっては割高になる

メリット・デメリットは「3階建てと比較!2階建てアパートを建てるメリット・デメリット」で紹介しています。

1.【構造別】2階建てアパートの建築費

アパートは躯体の構造によって建築坪単価相場に差が見られます。これに延床面積(坪)でかけることで、アパート建築費の概算が可能です。

アパート建築費用=構造別坪単価×延床坪数

1-1.2階建てアパートの建築費シミュレーション

ここでは、延床面積60坪の2階建てアパートの建築費用と初期費用の目安を表にまとめています。

構造 坪単価設定 初期費用
木造 坪単価:
80万円
建築費用:
4,800万円
諸費用:
480万円
初期費用:5,280万円
軽量鉄骨造 坪単価:
85万円
建築費用:
5,100万円
諸費用:
510万円
初期費用:
5,610万円
鉄筋コンクリート造 坪単価:
100万円
建築費用:
6,000円
諸費用:
600万円
初期費用:
6,600万円

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1-2.構造別建築坪単価一覧

2階建てアパートでよく採用される構造は「木造」と「鉄骨造」です。鉄骨造はさらに「軽量鉄骨」と「重量鉄骨」に分かれ、「重量鉄骨」はマンション建築にも採用される堅牢なつくりになります。

2階建てでは軽量鉄骨が主流と言えるでしょう。

構造別のアパート建築坪単価相場は以下の通りです。

木造 鉄骨造 鉄筋コンクリート造
アパート建築坪単価 77~100万円 80~120万円
(軽量)80~100万円
(重量)90~120万円
90~120万円

※HOME4U調べ

1-3.2階建てアパートの初期費用と建築費内訳

アパートの建築費用は本体工事費や付帯工事費、設計料を合計したもので、見積書の建築費用の項目には、多くの場合これらの合計額が入ります。
ハウスメーカーに依頼する場合の建築費用の内訳と割合の目安を図で示しました。

建築費用

ハウスメーカーでは、設計から施工まで社内で受ける設計施工一貫方式が採られます。一貫方式であれば、分離方式より設計料を抑えられます。設計を別注する場合は建築費用の10%前後が相場です。

アパート建築時は建設費以外にもかかる費用があります。建築以外にかかる費用の目安は建築費の10%です。

アパート経営の初期費用=アパート建築費+諸費用(アパート建築費の10%)

諸費用の内訳は以下のような項目になっています。

  • 水道分担金
  • 登記費用(登録免許税、司法書士報酬等)
  • ローン手数料
  • 火災保険料
  • 不動産取得税や印紙税

2.2階建てアパート建築事例と建築費

ここでは2階建てアパートの広さ別間取り例を3つ紹介します。それぞれ構造と間取り設定から建築費のシミュレーションもしてみました。

2-1.30坪の土地に木造アパートを建築

狭小地ともいえる規模の土地では多くのケースで、間取りに柔軟に対応できる木造を選択します。建築費用もローコストに抑えられます。

  • 1K4室(2室×2階)
  • 建ぺい率・容積率 80%・300%
1F2F

<建築費シミュレーション>

  • 本体工事費:3,200万円=80万円×40坪
  • 付帯工事費:528万円=(3,200万円+320万円)×15%
  • 諸費用:320万円=3,200万円×10%
  • 総費用:4,048万円

30坪のアパート経営については下記の記事で詳しく紹介しています。

2-2.50坪の土地に軽量鉄骨造アパートを建築

軽量鉄骨造のアパートは多くの大手ハウスメーカーで規格化しています。そのため、ローコストかつ工期短縮が可能です。

  • 1K6室(3室×2階)
  • 建ぺい率・容積率 50%・100%
1F2F

<建築費シミュレーション>

  • 本体工事費:5,100万円=85万円×60坪
  • 付帯工事費:841万5,000円=(5,100万円+510万円)×15%
  • 諸費用:510万円=5,100万円×10%
  • 総費用:6,451万5,000円

50坪に建てるアパートの建築費用については下記の記事でほかの構造と比較できます。

2-3.鉄筋コンクリート造2階建てアパート

広めの土地があり、固定資産税対策をすることが目的の場合、建築費が高く減価償却期間の長い鉄筋コンクリート造を選ぶこともあります。

  • 1DK×2室×1LDK×6室
  • 建ぺい率・容積率 60%・150%
1F2F

<建築費シミュレーション>

  • 本体工事費:1億500万円=105万円×100坪
  • 付帯工事費:1,732万5,000円=(1億500万円+1,050万円)×15%
  • 諸費用:1,050万円=1億500万円×10%
  • 総費用:1億3,282万5,000円

「100坪のアパート建築費用」の記事では、構造別の建築費シミュレーションもしています。

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3.3階建てと比較!2階建てアパートを建てるメリット・デメリット

ここでは3階建てアパートを比較した2階建てアパートのメリットとデメリットを紹介します。それぞれの特徴であるメリット・デメリットが予定地の立地でどのように作用するかを考慮することで、どちらが最適かわかるようになります。

3-1.2階建てアパートのメリット

2階建てアパートを建築するメリットには以下のようなものがあります。

  • 建築費が安く済む
  • 狭い土地でも建てやすい
  • 貸しやすい

3階建てアパートの場合、耐火建築物であることが求められます。構造計算が必要になったり、高い耐火性能をもつ部材を使用したりするため、建築費が高額になりがちです。

土地は建築規制によって建てられる延床面積が決まっています。そのため、狭小地では建物の高さを確保するのが難しいこともあるでしょう。
また、3階以上のアパートはターゲットによっては3階から上が貸しにくいという特徴があります。

3-2.2階建てアパートのデメリット

2階建てアパートのデメリットは規模が小さくなることで生まれるものです。

  • 収益性が落ちる
  • 空室リスクが高くなる
  • 構造によっては割高になる

2階建てとなると土地面積に対する賃貸戸数が3階建てに比べて少なくなります。したがって空室が1室でも出ると全戸あたりの空室率が高くなり、リスクとなる可能性があります。

2階建てアパートでよく選択される構造は、木造や軽量鉄骨造です。重量鉄骨造や鉄筋コンクリート造は高層建造物に向いている構造で、建築費も高くなります。2階では同じような間取りが木造や軽量鉄骨造で実現できるのに重量鉄骨造を選ぶと割高になってしまう恐れがあります。

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4.2階建てアパート建築に向いている土地と建築規制

木3共の建築規制緩和や建築技術向上の影響で3階建てアパートの数も年々増えています。しかし、2階建てアパートが最適な立地、3階建てを建てられない土地もあります。ここでは、アパートの階数に影響する建築規制などについて解説します。

4-1.アパートの規模を左右する建築規制とは

土地はそれぞれ建物を建てられる規模が決まっています。高さに影響する規制も中にはあり、事実上2階までしか建てられない土地もあります。
規模に影響がある建築規制は以下のようなものです。

  • 建ぺい率・容積率
  • 接道義務
  • 高さ制限
  • 用途地域

4-1-1.建ぺい率・容積率

建物が建てられる土地には建ぺい率と容積率が定められています。
建ぺい率は、土地面積に対してとれる建物面積の割合の規定で、容積率は、土地面積に対してとれる延床面積の割合を定めているものです。容積率はフロア数に大きく影響します。

建ぺい率 容積率

例えば、建ぺい率50%・容積率100%の場合、建ぺい率いっぱいの敷地の半分の建坪を確保すると、2階建て構造にとどめなければならないことがほとんどです。

4-1-2.接道義務

接道義務は、4メートル幅以上の道路に2メートル以上の土地の出入り面を確保する義務のことです。

また、土地に面する道路の幅が4メートルに満たない場合は、道路の中心線から土地が2メートル離れるように敷地を下げ、自用地を道路の一部として使えるようにしなければなりません。これをセットバック(道路後退)と言います。

建物の高さには直接的に影響は少ない規制ですが、セットバックで土地面積が削られることによって、2階建て以下にしなければならないこともあります。

4-1-3.高さ制限

土地によって規制される高さ制限には、いくつかの種類があります。以下にまとめました。

種類 概要
絶対高さ制限 用途地域によって規制される高さ制限。第1種低層住居専用地域と第2種低層住居専用地域では、10メートルまたは12メートルの高さに制限される。
道路斜線制限 前面道路の反対側境界から定められた角度で引かれた延長線の高さまでとする制限。適用角度は住居系の用途地域の場合、1:1.25。
隣地斜線制限 隣地の境界線上の一定の高さを起点として定められた角度で引かれた延長線の高さに制限する。宅地は20メートルを起点として、そこからの角度の延長線となる。
北側斜線制限 北側斜線制限の場合、隣地斜線制限の起点より厳しく、宅地の場合は5メートルとなる。建物の北側にかかる高さ規制。3階建て以上の場合は注意。
日影規制 周辺の日照時間を確保するための規制。冬至の日を基準に一定時間日影ができる範囲を定められた範囲に収めるようにする。また、8時~16時までの日影時間の制限もある。

2階建てアパートの高さは平均で8メートルほどです。建ぺい率・容積率の条件は満たせていても、高さ制限で規制対象となる高さになると高さ制限が優先されます。

4-1-4.用途地域

用途地域は土地を分類し、用途をそれぞれに定めたものです。都市計画法によって規制されています。13の用途地域のうち、工業専用地域ではアパート経営はできません。
また、市街化区域以外の都市計画区域外、市街化調整区域でも原則不可能です。

用途地域の中には第一種低層住居専用地域など低層の住宅に限って建築可能なエリアもありますが、こうした地域も3階建てアパートを建築できます。

4-2.3階建て以上が建てられない土地とは

土地には少なからず建築規制があります。特に高さ制限が厳しい環境にあったり、建ぺい率・容積率が低い土地だったりすると、3階建て以上のアパート建築は難しいでしょう。

3階建て以上が実現しにくい土地はすべてが規制の影響によるものとは限りません。
例えば、単身者の需要が著しく低く、ファミリー層に人気のエリアであった場合、エレベーターが設置できない3階建て以上の賃貸物件は敬遠されがちです。ベビーカーを利用する場合などはエレベーターがないと生活に支障をきたします。

また、賃貸需要がさほど高くないエリアでは、多額の建築費を投じて戸数を増やすことよりも2階建てで建築費を抑えて安定経営を目指すプランを選んだほうが賢明です。

所有地にどの程度の規模のアパートが建てられるか相談したい方は「HOME4U オーナーズ」を使えば、最大10社から建築プランと収支プランを手に入れられます。

5.2階建てアパートの建築費を相談できるハウスメーカーを選ぶポイント

2階建てアパートは、3階建てに比べて建築費が安く済みます。また、貸しやすいなどのメリットもあるため、高収益にこだわりすぎることなく安定的に経営することが可能です。
2階建てアパートに対応しているハウスメーカーは多数あります。その中から最適なメーカーを見極めるには、以下のポイントを重視してメーカーを比較します。

  • 50坪規模の物件建築の実績が豊富
  • アフターフォローが充実している
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